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夜明けまで【前篇】/【後篇】

ライズ&フォール【前篇】/【後篇】

まだまだあるけど、取りあえずここまで。

ライズ&フォール〜後篇〜

しばらくそうやって、楽しく話していました。どれくらいそうしていたのでしょう。

突然、女性の恐ろしい叫び声が聞こえました。まるで大きな動物を虐待したかのような声です。

その後すぐに

「アキラー!アキラー!アキラー!・・・・」

という狂ったような男の人の叫び声が!

私の体中から冷たい汗が吹き出し、心臓が痛いほど強く速く鳴りました。

スージーさんは立ち上がり

「あの馬鹿・・・」

と言いました。

スージーさんは、ボックス席の方へ駆けて行き、私もすぐその後を追いました。

取り囲んでいるお客の足の間に、倒れている人の手が見えました。

スージーさんはお客をかき分けて覗きこみました。

「アキラ!あぁ、なんてこと・・・」

アキラは大の字になって仰向けに倒れていました。

血の気の引いた顔は、照明のせいか黄色に見え、胸からお腹にかけて、ビクン!ビクン!ビクン!・・・・と激しく痙攣しています。

眼の玉の黒い部分がぐぅっと上の方に行ってしまっていて、ちょっとしか見えません。

口からは、白い泡みたいな液体をグボッ、グボッ、と吐き続けています。

倒れた拍子に割れたグラスでケガをしたらしく、アキラのひじからは血が流れていました。

見る見るうちにアキラの体から、汗か何か分からない水が沢山出てきて、倒れているアキラの周りの床を濡らしました。

濡れた床にアキラの血がにじんで、そこらじゅうがピンク色になっています。

アキラは次第に真っ白になっていきました。白い頬に真っ黒な無精ひげが伸びています。

そして口を金魚みたいにパクパクして、手も足も指も関節が逆に曲がるくらい突っ張っていました。

私は恐ろしくて、どうすることも出来ませんでした。ただアキラを見ているだけ。

スージーさんは腰をぬかして、へなへなと沈みこみそうになるのを、そばにいた男の人に支えられました。

「誰か、アキラを助けて・・・」

スージーさんは震える声でそう言いました。

男の人たちは、救急車を呼ぶ相談をしていましたが、結局は何人かでアキラを運び、病院に連れて行きました。

気が付くと、私とスージーさんは二人きり、静まり返った店のカウンターに、黙って座っていました。

他の客は皆帰ってしまったのです。

私も何度か、帰ります、と言ったのですが、スージーさんが、「迷惑でなかったら、一緒にいて」と言うので、そのまま残っていました。

私の頭の中は、いつまで経っても、先刻見てしまったアキラの恐ろしい姿で一杯で、どんなに他の事を考えようと思っても無理というものでした。

アキラはきっと、麻薬か何か知らないけれど、そういうのをやり過ぎたのだと思います。

テントの店で会ってから、ずっと楽しく話していたはずなのに、にこにこと嬉しそうにしていたアキラの顔を、私はどうしても思い出すことが出来ませんでした。

スージーさんはずっとうつむいたままです。

何時間もそうしていました。そしてやっと、スージーさんの携帯が鳴りました。

「もしもし、うん、あ、そう。ごくろうさん。ありがとね。」

スージーさんは電話を切ると、アキラ死んだって、と言いました。

私はそれからどうやって家まで帰ったのか、まったく覚えていません。

でも気が付くと、明け方近くでしたがちゃんと自分の部屋に戻ってきていました。

そしてその時、アキラに「ちょっと持ってて」と言われた黒い小さなバッグを、そのままちゃんと持っている事に気付きました。

これから私はどうしたら良いの?

自分の部屋に立ったまま、手に持った黒い小さなバッグを見ながら思いました。

中に何が入っているの?

とても開けてみる気にはなりません。

きっと中には、麻薬か何か知らないけど、そういう悪いものが入っているに違いないと私は思いました。

でも、なぜそんなものを「持ってて」と言ったの?

バッグは早いうちにアキラの店に行って、スージーさんに返そうと思いました。

その日の夜は、ストレッチのクラスを教える日でしたから、行く前に寄って、バッグを渡そう。

でも、あの店にもう一度行くのは、正直言ってイヤでした。

あの恐ろしかったアキラの姿、叫び声や、汚れた床のこと・・・もう二度と思いだしたくなかったのです。

それにあの廃墟をどう通って店まで着いたのか、よく覚えていませんでした。

でも一人で帰って来れたのだから、きっと行けるでしょう。

私は考えをまとめると、少し横になって休むことにしました。

とても疲れていたんです。

短い時間でしたが、ぐっすりと眠りました。

あまり熟睡して、起きた時には、なぜ今頃起きたのか一瞬思い出せないほどでした。

しかし、すぐに思い出しました。

もしかしてあの店で起こったこと、テントのお店のところからずっと夢だったのではないか?と思いました。

私、よく変な夢をみますから。

でも部屋の真ん中には、黒いバッグがぽんと置いてあります。

夢ではないのね。

 

そして色々考えているうちに、すぐに夕方になってしまいました。

レッスンは夜7時35分からです。

私はいつもの、着替えと靴を入れたリュックと、レッスン用のCDを入れた手さげ、そしてアキラの黒いバッグを持ち、重い足取りで出かけました。

スーパーまでバスで行き、テントの店を覗きました。

着くまでテントの店なんてなかったりして・・・と思ったけど、やはりちゃんとありました。

アキラのライター屋もありました。

スージーさんがいたら良いな、と思って、アキラのテントの中を見てみましたが、誰もいませんでした。

真っ暗で、アキラの煙草の匂いがするだけ。

私はスーパーの横の階段を降りて行きました。

下へ、下へ・・・

そして小さな扉を開け、例の廃墟を歩きました。

昼見ると、もっと汚くて、木の床の板の隙間から虫が這い出て来るのが見えました。

走るように廃墟を抜け、少し迷いましたが、アキラの店に降りる階段を見つけました。

その階段を降りて、アキラと書いた木の扉の前に立ち、呼吸を整えました。

私はコンコンとノックをしました。

「はい」

と以外にも男の人の声が。

私は扉を開け、中に入りました。

あっ!

扉のすぐ近くのレジのところに、アキラがいました。

「あ、鏡子ちゃん。もう来てくれないかと思ったよ!」

アキラは照れくさそうに笑って、昨日はゴメンね、と何回も謝りました。

なんだ、生きていたの。

良かった。

「下」の人は冗談がキツイのかしら・・・

私はアキラに黒いバッグを渡しました。

「これを返しに来たの。」

アキラは、そうだったそうだった、と言って、黒いバッグを開けました。

中には何枚かCDが入っていました。

「これを貸してあげようと思ったんだよ。それから俺、倒れちゃったからさ・・」

アキラは中からジャニス・イアンのCDを出して、私に手渡し、すごく良いから聞いてごらんと言いました。

そして返すのはいつでもいいから、とも・・・

私はCDを借りました。初めてのジャニス・イアン。レッスンで使えるかな。

「奥にスージーさんがいるから、何か飲んでいきなよ」

私はこれからレッスンだから飲めないけれど、スージーさんに挨拶だけしようと思って奥に入って行きました。

カウンターのずっと奥の方に黒い服を着たスージーさんがいました。

「あぁ!鏡子ちゃん、来てくれたのね。よかったわ。」

目を泣き腫らしたスージーさんがそう言いました。

「こういう時は一人でも多い方がいいでしょう?私たち下の者は知り合いが少ないからさ。鏡子ちゃんが来てくれたなんて、アキラも喜ぶよ。」

「・・・・?」

「アキラの友達は悪い奴ばかりだからさ、あの子いつも、上の人と友達になりたいって言っていたんだよ。スポーツをしているような明るい女の子がいいなって。だから鏡子ちゃんを連れてきたとき、あたしも本当に嬉しかった・・・それなのに、あんなことになって・・・」

スージーさんは言葉を詰まらせて、そのまま泣いてしまいました。

私は試しに聞いてみました。

「アキラは今どこにいるの?」

「さっき、葬儀屋さんが斎場に運んだよ。お通夜の前に顔をみてあげて。」

私はスージーさんに、一度職場に寄って、事情を説明してからまた戻ってくると言いました。

店を出るのにレジの前を通りましたが、アキラはいませんでした。

奥から、遅れてもいいから必ず来てね、というスージーさんの声がしました。

私はぼんやりしながら、歩いていました。

さっき見たアキラはきっと夢だったのでしょう。

出かける前に気絶したように眠りましたから、その時に見た夢に違いない。

疲れ過ぎて、夢と現実の区別が付かなくなっていたんだと思いました。

勤め先のスポーツクラブに着いて、いつものスタジオに入ると、もうすでに何人かの生徒が来ていて、床に座っておしゃべりしていました。

着替えもせずに入ってきた私をみて、びっくりしています。

「どうしたの?先生」

「今日はお通夜なの。いつものストレッチのCDを置いていくから、今日は自習にしてくれる?ごめんね。」

生徒の一人が、親戚の人?と言いました。

私は、「友達」と答えましたが、その時初めてすごく悲しくなって、下を向いて泣いてしまいました。

だめだわ、しっかりしなくては。

気を取り直して、CDの入っている手提げを開けましたが、中を見て「先生、大丈夫?」と言われるまでそのまま止まっていました。

そこにはレッスン用のCDと、ジャニス・イアンのCDが入っていました。

     

おわり

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まだまだあるけど、取りあえずここまで。

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