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夜明けまで【前篇】/【後篇】

ライズ&フォール【前篇】/【後篇】

まだまだあるけど、取りあえずここまで。

ライズ&フォール〜前篇〜

レッスンが終わり、バスで帰る時、私はいつもバスターミナルの近くのスーパーに寄ります。

特に用がなくてもブラブラして、バスの時間に合わせるのです。

その日もそのようにして、そのままバスに乗って帰る筈でした。

私はスーパーの裏口を出て、いつもなら右に曲がってバスターミナルにいくのをなぜかその日に限って左の方に顔を向けたのです。

そこには、小さなテントがいくつか張ってありました。

いつもそこを通っているのに気付きませんでした。いつの間に?

前は青空駐車場だったかな?記憶は曖昧です。そんなものですよね。

私は興味を持ち、そのテントの方へ歩いて行きました。

近くまで行くと、そのテントはそれぞれ小さなお店なのだと分りました。

何を売っているのでしょう?

私はいくつかのテントの中で、看板に「アキラ」と書いてあるものの前に立ち止りました。

なぜという訳もなく、ただ何となくそのテントの前に立ち止ったのです。

入口は小さく、入る時には腰を曲げなくてはならないほどです。

どのテントも同じでした。

私がその「アキラ」の入り口の前に立っていると、その入口から店の男の人が、ぬぅっと出てきました。

「わぁっ!ビックリした!」

その人は言いました。びっくりしたのは私も同じです。

私とそのお店の人は、お互いビックリしたのが可笑しくて、少し笑いました。

それからそのお店の人は

「いらっしゃい、どうぞ」

と言って、私をお店の中に招き入れました。

私はお店に入ろうとしていた訳ではなかったけれど、成り行きでそのお店に入って行きました。

入ってみて初めて解りましたが、そのお店は畳にすれば三畳くらい。

舶来物のライターを扱うお店でした。

お店の人は私に小さな丸椅子を勧めてくれました。

天井が低いので、立っていると圧迫感を感じるからでしょうね。

椅子に腰掛け、ライターを眺めていました。

「お客さんは、このテントの店、初めてでしょう?」

「ええ。」

店の人に話しかけられました。そしてその人はジーンズのポケットから煙草を出して火を付けました。

こんな小さな、窓もないテントの中で煙草を吸うなんて・・・

私は驚きました。でもライター屋さんですからね。

店の中が煙で一杯になりました。甘いような、変な煙草の匂いでした。

そして気が付けば、私とそのお店の人は、ライターとは無関係な話をしていました。

お酒の話、映画の話、音楽の話・・・

彼は、ジャニス・イアンが好きだと言いました。

私は、大好きなミュージカルの話をしました。

彼は、ヤンキースの話をしました。

私は、松井が好きだと言いました。

どのくらいそうしていたでしょう?私はハッと我に帰りました。

ずいぶん長くこの店に居座っているようです。

「私、もう帰ります。すみません、何も買わなくて。」

実際にライターは使わないけれど、お付き合いで買おうかとも思いました。

でもそれもわざとらしいし・・・

「これから下へ行くけど、良かったら一緒に行かない?何か飲んでいけば?」

お店の人はその後、最初から何も買わないと思っていたよ、と言って大きな声で笑いました。

私は少し迷ったけれど、その人と一緒にその「下」へ行ってみることにしました。

テントを出ると、新鮮な空気を気持ちよく感じました。

でもそう思ったのは私だけ?お店の人は足早に、駆け込むようにスーパーの方へ歩いて行きましたから。

まるで新鮮な空気が身体に毒みたい・・・

私も急いでお店の人の後を追いかけました。

するとスーパーの入口の横の隅に階段がありました。

いつもは横目で見ることはあっても実際にその階段を使ったことは一度もありませんでした。

お店の人は、その階段を降りて行き、私は黙ってその後を付いて行きました。

階段の途中でその人は言いました。

「俺、アキラ。書いてあると通り。」

「私は鏡子。」

「鏡子ちゃんか、いいね。」

私は何がいいのか分からないけれど、「うん」と言いました。

長い階段でした。

私はずっと、アキラの後姿を見ながら下りて行きました。

色褪せたグレーのTシャツに、擦り切れたジーンズ。

お尻のポケットから、つぶれた煙草の箱が顔を出しています。

やっと階段が終わりました。

アキラは薄汚れた小さな扉を開け、私を通しました。

そして、「まだだよ、もう少し」と言いました。

そこは、ずいぶん前に人が生活することをやめてしまったような場所でした。

一応電灯が点いていましたが、灯りの中に沢山の虫が死んでいるのが見えました。

チカチカッ、チカチカッ、としていて、今にも消えてしまいそうです。

椅子やテーブルが置いてありましたが、みな木製で、傾いたり、倒れたりしています。

そして埃にまみれ、蜘蛛の巣がかかっています。前はお店だったのでしょうか?

あ、そうだ。ここはスーパーの地下なのだった。

私はだんだん恐ろしくなってきました。

よく見ると、商品を並べていたと思われる台や、棚もあります。

しかしどれも壊れていて、古く、私たちがそばを通るだけで埃が煙のように舞い上がるのです。

このままアキラの後をついて、アキラの言う「下」に行っても大丈夫なのでしょうか?

しかし、その時にはもうすでに一人で引き返す恐怖の方が大きく、私はこのアキラを頼るほかにどうしようもありませんでした。

埃にまみれた廃墟を通り抜けると、また階段がありました。

そしてまた、下へ、下へ・・・

二つ目の階段が終わりました。こんなに下があるなんて!

木の扉がありました。そこにはまた「アキラ」の文字が・・・

アキラは扉を開けました。

「さあ、どうぞ。いらっしゃいませ」

アキラの二つ目のお店。

ここが「下」だったのね。

そこはカウンターとボックス席が3つほどある、薄暗いお店でした。

私とアキラは、煙草の煙をかき分けるようにして中へ進んで行きました。

お客さんも何人か来ていました。常連のようです。

普通のお客がここまで来れる訳がありません。

どのお客も、みな暗く、柄の悪い人たちでした。中には女の人もいます。

アキラはそのお客達に、「よう」と言ったり、肩をポンと叩いたりして挨拶していました。

カウンターの奥に年配の女性が座っていました。

「スージーさん、かわいいお客さんを連れてきたよ。鏡子ちゃんだよ。」

とアキラは言いました。

「本当に!まぁ、なんてかわいいの。こっちへ来て座りなさい。それにしても、やせっぽちねぇ・・」

私は、スージーさんという日本人のおばさんの隣に座りました。

アキラは私に、ウィスキーをソーダで割った、美味しい飲み物を作ってくれました。

そして、私の横に座りました。

スージー、私、アキラ、という順番で座ったのです。

アキラはとても楽しそうでした。

私のことを色々と聞いて、私も色々と話しました。

勤めているスポーツクラブの話には、特に興味を持ったようでした。

「何を教えているの?」

「ストレッチとジャズダンスを」

「じゃ、体やわらかいの?足とか上げたりするんだよね!」

アキラは本当に楽しそうでした。そしてスージーさんも。

「アキラ、あまりシツコクしちゃだめよ。鏡子ちゃん、もう来てくれないよ。」

なんて言っていましたが、私は、また来てもいいなと思い始めていました。途中の廃墟もそのうち慣れるでしょう。

アキラは片隅から、黒い小さなバッグを取り出しました。

そして、何か言おうとしましたが、その時、少し離れたボックス席で声がしました。

「おい、アキラ!来いよ。」

アキラは、私に黒いバッグを「ちょっと持ってて」と言って渡しました。

そしてスージーさんには、「鏡子ちゃんを頼むよ。」と言いました。

アキラが席を立つ時、スージーさんが言いました。

「アキラ・・・ほどほどにするんだよ。わかってるね。」

アキラは、うんうん、と言ってボックス席に行きました。

仕切りのあるボックス席でしたから、私の視界から完全にアキラは消えてしまいました。

それから私はスージーさんと話をしました。

話しているうちに、スージーさんはアキラのお母さんだと分りました。

なぜスージーなの?と聞いたら、笑いながら

「わかんない、適当。」

と答えました。


後篇へ続く

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まだまだあるけど、取りあえずここまで。

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